サステナビリティ

人財の活躍推進と環境整備

当社の事業を支えるのは「人」であり「技術」です。
誰もが安心していきいきと働くことのできる職場づくりはもちろんのこと、人々の生活を支える当社の仕事にやりがいを持ち、熱い思いを持ってしっかりと取り組む人財の育成にも力を入れています。

  • 人財=多様・多才な「個」

組織風土づくり

2022年4月に三菱電機ビルソリューションズとして新たなスタートをきった当社では、組織風土づくりや、会社の目指す姿を社内に浸透させるための活動を積極的に進めています。

その一つに、対話を重ねながら、従業員とともに新しい会社の風土を創り、より良い会社を実現するための「変革プロジェクト」があります。「学習し、共感し、自走する組織」の実現のため、「個を認め、個を伸ばし、個を活かせ」というアプローチで各種活動を行っています。

また、組織風土づくりには、誰もが安心していきいきと働くことのできる職場環境が欠かせません。ハラスメントの防止、仕事の生産性向上、ワークライフバランスの実現に向けた施策やサポート体制も様々な部門が連携して整備しています。

「コミュニケーションDAY」

同じ事業所内でも普段は接点のない部署の人や、同じ部門に属していても異なる勤務地にいる人との「横の対話」、そしてトップ層と従業員による「縦の対話」を行うことで、「相手を知り、自分を知ってもらう」ための活動です。

当社の目指す姿や変革の必要性、参加者が日頃感じている課題を共有し、一人ひとりが主体的に「“ちょっと”よりよい明日のためにできること・変えること」について考える場となっています。

参加者が発言しやすい雰囲気を作るため、毎回、心理的安全性について説明し、理解を得たうえでディスカッションが行われており、このことも風通しのよい組織風土づくりの一助となっています。

経営層のインタビュー動画公開

社内イントラネットに、経営層へのインタビュー動画を公開しています。会社の未来や、仕事で大切にしていること、従業員へのメッセージなど、経営層の想いや考えを理解し、より身近に感じてもらうためのきっかけづくりとしています。

1on1トーク

上長(リーダー)と部下(メンバー)が、1対1で業務の話に限らず対話を行い、気軽に話をする機会を増やすための取り組みです。相互理解や会社での自身の役割、将来のキャリアビジョン等、今まで見えてこなかった事が対話を通じて明確になることで、従業員一人ひとりが、楽しさや熱意を感じながら仕事に取り組み、自律性・主体性が促されるような職場環境を創ることを狙いとしています。

幹部による事業拠点の巡回

経営層による事業拠点の巡回とそこでの対話を実施することにより、企業理念や会社の目指す姿、経営戦略の浸透に努めています。全員が同じ方を向いて仕事に取り組めるよう、対話を重視しています。

DE&I推進

当社ではすべての従業員の個性・多様性を尊重し、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場を目指してDE&Iの推進に取り組んでいます。

積極的に多様性を受け容れ、多様な視点や発想で人と社会に寄り添った事業価値を創出し、ビル・都市空間における人々の豊かな暮らしに貢献します。

D:Diversity/多様性、E:Equity/公平性、I:Inclusion/包括性

三菱電機グループにおけるDE&I

D:Diversity(ダイバーシティ)/多様性
あらゆる変化に打ち勝つ強い組織であり続けるために、多様な個が総結集し、協働すること

E:Equity(エクイティ)/公平性
一人ひとりの挑戦のための公平な機会や支援が提供されること

I:Inclusion(インクルージョン)/包括性
自分らしさと高い帰属意識を実感できる、多様性が活かされる居場所であり続けること

DE&I推進に向けた主な取り組み

(1) 全従業員向けトップメッセージの発信

当社におけるDE&I推進の目的と意義を全従業員に発信しています。従業員一人ひとりが意識を変え、行動を変えることで多様な個性が溢れる職場を目指しています。

(2) 従業員意識調査アンケートの実施

2016年から従業員の意識を定点調査する取り組みを継続しています。アンケート結果は従業員にフィードバックし、より良い職場環境づくりに活用しています。

(3) アンコンシャス・バイアス研修の実施

誰もが無意識に持っている偏見(アンコンシャス・バイアス)を理解・認識するための研修を開催しています。職場の中の差別をなくし、だれもが正当に評価される企業風土を醸成します。

(4) 男性の育休取得促進に向けた制度・取り組み

当社では男性の育児参加を促進するための様々な取り組みを行っています。

  • 配偶者出産休暇として10日間の特別有給休暇を付与
  • 産後パパ育休利用者へ基本賃金の100%を全額補償
  • 仕事と子育ての両立支援ハンドブックを展開
  • プレパパメールマガジン(先輩パパからのアドバイス等)の配信
  • 男性育休取得推奨セミナーの開催
ハンドブック表紙:仕事と子育ての両立支援ハンドブック~男性社員向け 制度編~
(5) 女性のキャリア形成支援に向けた取り組み

ライフイベントで変化を迎えやすい女性社員を対象に、中長期的なキャリアイメージの獲得や、女性社員同士の人脈形成・ネットワーク構築を目的に各種セミナーを開催しています。あわせて、女性管理職の計画的育成・登用も推進しています。

  • 若年~中堅層向けキャリアデザインセミナーの開催
  • 中堅層向けリーダーシップセミナーの開催

安全衛生

三菱電機ビルソリューションズでは「私たちの価値観」において「すべての人の安全・健康に配慮するとともに、人の多様性を理解し、人格・人権を尊重する」ことを明文化しています。当社・関係会社・協力会社の従業員一人ひとりの安全を確保し、やりがいをもって働くことのできる環境を整えることは、事業を継続し発展させていくうえで不可欠な基盤です。

こうした考えのもと、経営層から国内外の関係会社にいたるまで、安全に対する意識・感度の高い組織風土をつくるために安全衛生方針や安全グローバルガイドラインの周知徹底をはじめ、製造部門、工事・保守のフィールド部門のそれぞれで施策を立てて様々な取り組みを進めています。

また、万が一、労働災害が発生した場合でも速やかに対応し改善するための体制を整えるだけでなく、労働災害の予防のため、安全診断や安全パトロール、海外関係会社における安全グローバルガイドラインの監査、研修による教育、業務用車両の事故防止等にも力を入れています。

「全社安全の日」

毎年6月1日を「全社安全の日」と制定しています。社長メッセージを全社と国内外の関係会社に向けて発信するほか、日々の自身の作業等を振り返り「自分の身は自分で守る」ことを改めて考える日としています。

従業員の心と体の健康づくりについては、社内体制を整えるとともに社外リソースも活用して、全従業員に対し安全かつ健康な労働環境を維持・向上するよう努めています。統括産業医の配置による全社横断的なケアに加え、外部機関のカウンセリング窓口も設置し、業務内・外の健康相談に対応できるようにしています。当社は、従業員の健康を経営課題の一つとして捉え、健康諸施策と教育・啓蒙により、一人ひとりが主体的に健康づくりに取り組める職場となることを目指しています。

教育

当社では「人づくり教育」を掲げており、人間性の涵養・技術技能の習得・規律ある行動の体得を柱としています。従業員一人ひとりが「心」と向き合い、「技術」と向き合い、「人」と向き合うことを通じて、自ら考え行動する人財を育成することを目指しています。

  • 涵養(かんよう):当社では、水が自然に染み込むように、時間をかけて丁寧に人財を育むことを指します。

国内においては教育センターと稲沢据付研修センター「匠(たくみ)」を核とし、当社の昇降機(エレベーター・エスカレーター)、ファシリティ(空調冷熱、ビルシステム)を熟知し、高度な技術を持った誠実なエンジニア、お客さまのニーズに寄り添ったソリューションを提供できる営業担当者、海外で活躍できる人財の育成に力を入れています。

階層別教育をはじめ、事業別・部門別のプログラム、キャリア支援、競技大会の開催、三菱電機グループ共通の講座受講など様々なアプローチを取り入れ、開発・製造、据付、保守、リニューアルの各フェーズにおいて、常にお客さまの立場で質の高いサービスを提供でき、社会からの期待に応えることのできる人財を育むことに努めています。さらに、協力会社向けの教育プログラムもあり、当社グループ全体の技術力向上を図ることによる価値提供に取り組んでいます。

技術者・技能者向けの競技大会

当社では、技術者の技能・技術向上を目的とした社内競技大会を開催しています。教育センターでは、昇降機や空調・冷熱設備、システムなどのビル設備全体に関する保守技量を競う「保守技能・技術競技大会」を1981年から開催。全国から選りすぐりの技術者が一同に会し、保守・整備から施工、客先報告までの作業手順や手際の良さ、正確さ、安全配慮、出来栄えなどを競い合います。

昇降機の開発・製造を行っている稲沢ビルシステム製作所には、「技能の伝承」と「技能水準の維持・向上」を目的に、製造技能・技術を競う「技能競技大会」があり、1977年の開始以降、若手技能者育成の場と位置付け、毎年開催しています。競技職種は全10職種、参加者は稲沢ビルシステム製作所のほか、関係会社や協力会社、海外生産拠点からも参加するグローバル競技大会として開催しています。

人づくりへの熱意は国内だけにとどまりません。

海外においても、提供する製品・サービスの品質と、お客さまの安全・安心を確かなものにすべく、国内で育成した人財が海外でも活躍できるよう海外派遣型研修を行うほか、海外で販売・据付・保守を行っている関係会社・代理店45社に対して、当社の教育体系に準じたあり方を提案しています。それに基づいて、各販社が自社の教育施設/センター/現場OJTで教育を実施しています。加えて、関係会社から研修や指導員派遣のリクエストを受けたり、新機種発売等の際には当社から研修開催の提案を行ったりするなど、互いに状況を見ながら人財育成のための環境を整えています。また、主に東アジアの関係会社から日本への保守技術者の受け入れも行っています。

一方的なやり取りではなく、海外現地でのノウハウを共有してもらうなど海外関係会社との相互コミュニケーションにより、三菱電機グループのビルシステム事業を担う仲間として一体感を持った人づくりを行っています。

教育センター

高い技術力、臨機応変な対応力、世界最高峰の安全・安心は、書物を読み講義を聴くだけでは決して身につきません。

教育センターでは、既存品はもちろんのこと、新機種や新技術の導入に合わせ研修設備を積極的に拡大しています。33,000m2の敷地に技術のみならず「技術者魂」が育まれる環境を整え、技術者の成長を後押ししています。

稲沢据付研修センター「匠」

昇降機製造拠点のマザー工場である稲沢ビルシステム製作所には、据付技術者の育成に特化した施設があります。

実機やVR機器を用いた実践的で効果的な研修や、教育が行われています。

昇降機の据付作業には、長年の経験と技術の積み重ねが必要です。据付技術者育成を強化することにより昇降機の据付品質を向上させ、安全・安心、快適な昇降機を提供しています。

  • VR:Virtual Reality(仮想現実)