概要

目的/課題 「省エネ・創エネ活用」と「災害時のレジリエンス機能や地域との連携」の両立をコンセプトに、環境配慮型企業としての姿勢を明確に打ち出すことができる新社屋づくりが検討された。
解決策 Nearly ZEB(※) 取得を目指し三菱電機ビルソリューションズにZEBプランナーを依頼。
省エネ・創エネ目標を達成する最新設備を導入して環境性能を高めたほか、建物の耐震性や窓に遮熱性、断熱性に優れたガラスを採用するなど外皮性能も向上させた。

※ZEB:Net Zero Energy Buildingの略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建築物。
※Nearly ZEB:省エネ・創エネを合わせて一次エネルギーの75%以上削減する建築物。
効果 Nearly ZEBを達成し、BELS(※) 評価で最高ランクの5つ星を取得。「エネルギーの見える化」により従業員の省エネ意識が向上。
社屋の一部が災害時の一次避難場所となり、防災を通じた地域交流が進む。最先端の環境配慮型ビルが学生や求職者に好印象を与え採用時の応募が拡大。

※BELS:建築物の省エネ性能を評価・表示する第三者認証制度

インタビュー

導入の経緯・背景

Q Nearly ZEBの新社屋ビル建設の背景・経緯を教えてください

 当社事業の特徴は、SDGsという言葉が普及する以前の2006年にEV自動車向け急速充電器の販売代理店事業を開始するなど、いち早く『環境』をキーワードにしたビジネスに着手してきた点にあります。その後も太陽光発電設備の納入・保守や、2017年の水の国電力(株)設立を通じた小水力発電事業への参画など、幅広い環境ビジネスを展開してきました。
 水力発電所では遠隔監視システムを導入し、ICT(情報通信技術)と環境ビジネスの融合を図っています。Nearly ZEBの取得を目指した理由の一つは、環境配慮型企業としての姿勢を明確にすることでした。この点を踏まえ、新社屋は環境への配慮や災害への対応を重視し、コンセプトを「省エネ・創エネ活用」と「災害時のレジリエンス機能や地域との連携」の両立としました。

NES株式会社 代表取締役会長 成川氏、常務取締役 高野氏、経営企画部 安吉氏

導入の進め方

Q 具体的にはどのように進めたのですか

 Nearly ZEBを取得するには、基準となる省エネ・創エネ目標を達成しなくてはなりません。また、環境省や経済産業省のZEB補助金事業採択をスムーズに行うためにも、全国で実績のある三菱電機ビルソリューションズにZEBプランナーを依頼し、最新設備の導入を進めました。
 具体的には省エネ性能の高い三菱エレベーターをはじめ三菱電機製のビル用マルチエアコン、全熱交換器、LED照明、ヒートポンプ給湯機を導入し、エネルギー消費量を大幅に抑制しています。
 これらの設備を効率的に運用するために、ビル設備を一括管理・制御する三菱ビル統合ソリューション「BuilUnity(ビルユニティー)」を導入し、その中にある「BEMS(Building Energy Management System)」の機能を使ってエネルギーを見える化し、ZEBや省エネの実現に役立てています。

導入の成果と今後の展開

Q 設備導入の効果や将来に向けてお考えを教えてください

 BEMSの『ZEB見える化グラフ』でZEBの達成状況や日々のエネルギー収支(消費電力量と発電電力量)をリアルタイムで把握することができ、省エネと太陽光発電と蓄電池を組み合わせた創エネによる最適なエネルギー運用に役立っています。エネルギーが見える化されたことで、従業員の省エネ意識が自然と高まりました。
 新社屋ビルは一次エネルギー年間消費量を82%削減可能な性能があります。今後の省エネ・創エネの取り組みとして、空調効率の改善や蓄電池の容量拡大を予定しており、金沢や福井の営業拠点のZEB対応についても可能性を探っていきます。
 Nearly ZEBの実現や自社の小水力発電により新社屋の電力は現在、100%を自前で賄っています。環境負荷低減や防災を通して地域に貢献する企業であり続けたいと思います。

ギャラリー

その他・補足事項

 新社屋は環境性能のみならず、自然災害などの影響を最小限に抑え、迅速に復旧する「災害時のレジリエンス」も強化しています。
 建物は震度7の地震に耐える構造で、被災時には施設の一部が地域住民に提供する一次避難場所に指定されており、地域住民を招いて段ボールベッド作り体験会を開催するなど防災を通じた交流が行われています。
 最先端の環境配慮型ビルは学生や求職者に好印象を与えており、採用時の応募の拡大につながっています。

<本記事は広報誌「Fika!」春号(通巻17号)2026年4月1日発行に掲載>

担当者紹介

土田 保
中部支社 北陸営業部 営業課 ※2026年3月現在
担当者:土田 保

海外で長く昇降機の技術者として携わり、現在は出身地である北陸の支社に配属され、昇降機を中心に、ビルシステムなど複数の商品、サービスを組み合わせたビルソリューションを提案する営業に携わっています。
NESさまとはプロジェクト立ち上げ時からZEBプランナーとともに関わり、NESさまの創造性とスピード感のある企業姿勢に刺激を受けました。ZEBへの知見を深めながら工事を見守り、社内技術者たちの支援もあって無事竣工を迎えられたことを嬉しく思います。
私の仕事上のモットーは「情熱」です。お客さまとタッグを組み、三菱電機グループの総力で付加価値を提案し、北陸の地域活性化とビルの高度化に情熱を持って貢献していきたいと思います。

施設概要

【所在地】富山県富山市呉羽町西16-2
【延べ床面積】2,392㎡
【構造】鉄骨造3階建て
【竣工】2024年

NES株式会社本社 主な納入設備

技術 設備 仕様
設備 ・ 省エネルギー技術 空調 機器(熱源) ビル用マルチエアコン(EHP)/パッケージエアコン/全熱交換器
システム ナイトパージシステム
換気 機器 DCファン
照明 機器 LED照明器具
システム 在室検知制御/明るさ検知制御/タイムスケジュール制御
給湯 機器 ヒートポンプ給湯機
昇降機(ロープ式) VVVF制御(ギアレス)
変圧器 第二次トップランナー変圧器
効率化 省エネ 機器 太陽光発電
システム 全量自家消費
蓄電池 機器 リチウムイオン蓄電池
BEMS 機器 設備間統合制御システム/設備と利用者間統合制御システム/負荷制御技術

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