概要

目的/課題 50年の歴史を持つ「鳥取県立博物館」が、施設老朽化による不具合や収蔵スペースの不足などから、美術部門を移転し新設する事に。新美術館の施設運営や設備の維持管理を効率的に行う方法が、県教育委員会で検討された。
解決策 民間活力やノウハウを活用するPFI方式を採用。三菱電機ビルソリューションズを含む10社で構成する特別目的会社"鳥取県立美術館パートナーズ株式会社"が、県と一体となり設計、建設、開館準備および開館後の運営維持管理に当たる。
効果 美術品の展示・収蔵に重要な温湿度管理を全館で三菱電機ビルソリューションズが担い、季節や天候、その日の気温、イベント開催の状況に応じた空調環境を提供。竣⼯直後から開館までの温湿度の環境データ蓄積は貴重な作品の借り⼊れにも貢献した。
導入期間 2020年3月24日~2040年3月31日

インタビュー

導入の経緯・背景

Q 貴施設の開館の背景・経緯を教えてください

 鳥取県立博物館が施設の老朽化や収蔵スペースの不足などから、美術部門を独立させた美術館を建設することになりました。「未来を“つくる”美術館」というコンセプトのもと、地域とアートをつなぐ拠点となる新しい美術館を目指す中で、設計、建設、開館準備期間および開館後の運営維持管理を民間に委託するPFI方式を採用し、リスク分担や長期的な品質維持が可能な運営体制を敷くことにしました。
 公立美術館の新設・運営のPFI方式は国内初のケースですが、設備の維持管理や集客ノウハウ、スタッフマネジメントなどあらゆる面で民間の知見が生かされており、行政だけでは得られなかった手ごたえを感じています。
 三菱電機ビルソリューションズには、昇降機や空調設備の納入と、それらを含めた館内外の設備全般の維持管理に従事していただいています。

鳥取県立美術館 館長 尾﨑信一郎氏

導入の効果

Q 竣工後の施設運営の状況についてお聞かせください

 美術品の展示・収蔵は温湿度管理が最も重要です。
 作品を借り入れる際に温湿度の安定性を証明する必要があり、当美術館では竣工直後から空調設備を稼働させ、開館までの1年間、三菱電機ビルソリューションズとともに施設内の温湿度の環境データを蓄積しました。
 開館記念展において、通常は貸し出されにくい貴重な作品を数多く集められたのは、蓄積した環境データが当美術館が美術品を適切に管理できる施設であることを証明してくれたからです。開館後も季節や天候、その日の気温、イベント開催の状況に応じた全館のきめ細かな温湿度管理が行われており、美術品を適切に展示・収蔵し、快適に鑑賞できる空調環境を提供しています。
 新美術館オープンの話題性や魅力ある作品展示、イベント開催の効果もあり、開館後半年で来場者数が20万人を超えました。

導入の成果と今後の展開

Q 将来に向けてどのようなことをお考えですか

 収蔵品を数十年にわたり未来へ守りつぐ場であるとともに、地域の人々が気軽に立ち寄れるサードプレイス(自宅や職場以外の第三の過ごしやすい場所)としての役割を果たしていきたいと思います。
 当館は『OPENNESS! 』をブランドワードに掲げており、吹き抜けの『ひろま』やフリーゾーンなどの明るく開かれた空間では近隣で働く方や学生が昼休みなどに立ち寄ってくつろぐ様子を目にします。すべての人々に開かれた公共空間として館内の展示や回遊を楽しんでいただきたいと思います。
 美術館の外観は倉吉市内に残る白壁土蔵をモチーフにしており、周辺には倉吉博物館など地域の文化資源となる拠点が複数あります。周辺の文化施設と連携できる仕組みも検討しながら、当館が新たな観光・文化資源の拠点としての役割も担っていきたいと思います。

ギャラリー

その他・補足事項

『OPENNESS! 』は、明るく開かれた空間があることともに、さまざまな価値観に対して開かれ、新しい価値を創り出す美術館であることの象徴です。
同美術館は日本の美術館では先進的なIPM(総合的病害虫管理)による監視体制で大切な美術品を害虫から守る取り組みも行っています。
<本記事は広報誌「Fika!」冬号(通巻16号)2026年1月1日発行にて掲載>

担当者紹介

川本 等
中国支社 山陰支店 ファシリティ係
担当者:川本 等

鳥取県立美術館さまでは、PFI事業として、当社が開館準備期間および開館後の15年にわたり、設備全般の維持管理を担当します。
昇降機や空調設備の保守にとどまらず、床のわずかな傷の補修などにも対応しています。
美術館の展示・収蔵スペースは、設定温度に対して±2℃、湿度±5%の水準を維持しなければなりません。
来館者には快適な環境を提供する責務もあり、その日の天候、気温・湿度、イベント内容などに合わせて設備の調整を行っています。
PFI事業は長期にわたって施設を守り続ける必要があります。設備の経年劣化が大きな不具合につながらないよう、日々きめ細やかな保守・管理を行い、安全・安心で快適な環境を維持していきたいと思います。

施設概要

鳥取県立美術館

【所在地】鳥取県倉吉市駄経寺町2-3-12
【敷地面積】約17,892.12㎡
【建築面積】約5,347.72㎡
【階数】地上3階
【開館日】2025年3月30日

導入設備

乗用エレベーター・エスカレーター、空冷ヒートポンプチラー、ビル用マルチエアコン、ロスナイ(全熱交換器)

契約内容

PFI事業(設計・建設期間、開館準備期間+開館後運営維持管理期間15年)
維持管理業務(建築物・建築設備保守管理、修繕)

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